蕭何と出合い、彼の推薦を受ける
蕭何と出合い、彼の推薦を受ける
ここでも実績も、背景となる勢力もない韓信(英語 Han, Shin)は一兵卒として扱われ、仕事に不満を持って仲間と一緒に罪を犯し、処刑されそうになります。
そこで「天下を取ることを望むのなら、この韓信を処刑するのは間違いだぞ」などと騒ぎたて、それが劉邦(英語訳 Liu Bang)の側近・夏侯嬰(かこうえい)の目に止まり、罪を許されます。
そして治粟都尉(ちぞくとい)という軍の食料を管理する仕事につけられました。
韓信がしたいのは軍を率いて作戦を立て、敵を撃ち破る仕事であり、食料の管理ではありません。
そこで韓信は蕭何(しょうか)(英語訳 Xiao He)という劉邦からの信頼の厚い人物に出合い談じ込み、自分にふさわしい仕事を与えてくれるように求めます。
蕭何はこの無名の人物と何度も話す内に、その身に他に並ぶものがいないほどの軍才が宿っていることを悟り、高く評価します。
しかし韓信が急に高い地位につけられることはなく、やがて劉邦の陣営にも絶望した韓信は、逃亡してしまいます。
この時の劉邦は巴蜀(中国の南西部)という辺境の地に追いやられていた時期で、韓信に限らず劉邦の陣営から逃亡するものは後を絶ちませんでした。
蕭何は他の将軍たちが逃亡しても何もしませんでしたが、韓信が逃亡したと聞いた時はこれを追いかけて説得し、劉邦の元に連れ戻します。
この時に劉邦は、最も大事な家臣である蕭何までもが逃亡したのかと勘違いし、慌てます。
そして戻ってきた蕭何を詰問しますが、蕭何は「韓信だから追いかけたのです」と返答します。
「他の雑多な将軍などはいくらいなくなっても影響はありません。しかし天下を取ることを望むのであれば韓信は必要な人材です」と劉邦に説明します。
この時に「国士無双」という言葉で蕭何は韓信を評します。
そして劉邦軍の中で最も高い地位である、大将軍に韓信をつけるようにと劉邦に提案します。
劉邦は信頼する蕭何がそこまで熱心に推薦するのであれば、と受け入れ、韓信を抜擢して大将軍の地位を与えました。
いくら蕭何(英語訳 Xiao He)を信頼しているとは言え、無名の人物にいきなり軍の最高司令官の地位を与えてしまう劉邦も、やはりただ者ではありません。
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